海を見た人間が死を夢想するように、速水圭一は北条司に美を思い描いた。高校2年の春、同じクラスの北条の「美」の虜になった美術部の速水は、彼の肖像画を描き始めた。2人の仲は深まっていくが、夏休みのある出来事が速水の心を打ち砕き…。